2014年12月14日日曜日

どうしても行きたかった

金曜からとある事情のため大阪へ。まずは、新大阪についてすぐにエスカレーターに一歩足を出したときに面食らった。列の右にこっちは並ぶんだとすっかり忘れていて、前の人にぶつかりそうになった。
そこから、宿泊場所に足を向ける。地下鉄を出るとすぐに顔に冷たい風が突き刺さる。こちらは本当に寒く、もうちょっとしたら雪が降るかなと思った。寒い冬にはるばる大阪まできて、用事は別に観光などと楽しいものではない。そんな思いから少し今回の滞在は憂鬱だった。

晩ご飯におうどんを食べると、もう疲れてしまい久々にお風呂に入れる時間があったので、お湯をため入る。そしてすぐベッドに入った。この直前に予約した部屋のベッドは1人にはあまりに大きく、何だかむなしい思いに駆られた。
その日はあまりに緊張して夜もあまり寝られない。目は閉じて、携帯は開かないと心に決めてじっと目を閉じる。翌朝、予想以上に疲れはない。用事を済ませるために、朝早くホテルをでる。
昼過ぎに終えると何だか、ホッとして疲れがドッとでてきた。入ったカフェで少しぼーっとした。そして、携帯を開いて大阪にいる友人に食事のお誘いをした。


友人の返事がなかなかこないし、もう疲れ果てたので部屋に戻って寝ようと帰路につく。ホテルに着いた頃に友人から連絡がきて、その日の晩飯を食べることにした。彼は中学のときに共に生徒会のメンバーだったヤツで、実際会ってちゃんと話すのは久々だった。


それでも疲れたので、少し仮眠を取る。起きてもやっぱり体が重かった。
待ち合わせはグリコ。初めて難波という街にきたけれど、池袋と渋谷をミックスしたのに、大阪特有のエネルギーがある場所だった。ただ、歩きタバコをして吸い殻を地面に捨てる光景が当たり前なのに気付き、こっちの人はあまり細かいことは気にしないのかと、友人を待つ間物思いに耽る。

あと、ついてすぐ気付いたけれど、大阪は車が速い。囲碁盤を連想させる街のつくりと、運転のスピードがマンハッタンを思い起こさせる。それにしても、こっちの人はせっかちなのかしらん。

友人とお食事どころへ。久々に会った彼は、立派な社会人として働いていた。大阪の生活にも馴染み、とても楽しそうな印象でホッとした。久々に会った彼は、今まで聞いたことないことを話してくれて、すごく色々考えながらきたんだな、というのが伝わってきた。1人1人にストーリーがある。僕のこれからのことを話したらスゴく応援をしてくれた。

あっという間に時間。長い夜に備えた彼が駅まで送ってくれ、また会いに来ようと誓う。今度は僕がご飯代を支払いたい。疲れとアルコールにやられた僕は、強烈な眠気に襲われながら部屋に着く。ホッとして広いベッドにダイブする。5分くらい考え事をして、シャワーを浴び寝床に戻った。


朝、もう当分この辺には来られないかなと思い京都に行くことを決めた。別にいろいろまわる時間もお金もない。やることはまだ山ほどある。でも、どうしても行っておきたい場所があった。


南禅寺

はじめてここにきたのは小学6年生のとき。それから中学校の修学旅行、大学に合格した後、京都に行く機会に恵まれた時は必ず訪れている。金閣寺や伏見稲荷などではなく、南禅寺。マイナーな場所かもしれない。だけど、小さい頃にここの雰囲気を気に入った僕は、今行かないと当分行けなくなると直感で感じたんだ。


この三門からの風景に魅せられたのだ。南禅寺の入り口とは逆方面、山の見える場所。人があまりいなかったので、重いバックを置き腰を下ろす。真っ直ぐではない木目に指をなぞらえ、ああこれだと懐かしさが蘇ってくる。空気は乾燥し冷たい。深呼吸をするとすうっと風が喉を抜ける。ネックウォーマーに顔を埋める。

この風景をみると何も考えずにすむ。何も考えずぼーっとここからの眺めに目が捕られる。苦しかった2014年ももうすぐ終わる。本当に苦しかった。何をやっても上手くいかない、結果がなかなか出ない、お世話になった人に迷惑をかけ、大切な人とは別々の道を歩むことになった。
どうして上手くいかないのだろう、ずっと悩み続けた一年。

大阪に来る直前、正直限界だったのかもしれない。もう無理だ。そう思った。周りの助けはあって何とか乗り越えて来れてきたけど、自分の中では心身ともに文字通りピークにきていた。
大阪への移動中からかなり憂鬱で、着いてすぐ向かえてきた冷たい風がいっそう負の思いを大きくさせた。


だけど、三門から飛び込んできた光景をみていると、その瞬間瞬間その全ての記憶が無くなっていった「何か」から開放される感覚。何だか不思議な気持ちだった。約15分、静かで清らかな時間だった。

南禅寺に別れを告げ京都駅へ。京都について駅近のスタバで温かいコーヒーを飲む。店員さんは東京の人より気が利くなと優しい気持ちになった。京都ビルのスタバ、店員さんナイスでした。


今年ももうすぐ終わる。卒業も間近。次この大好きな街に、大好きな場所に訪れることはいつになるのだろうか。またあの光景を1人で観に行きたい。そんなに頻繁には訪れることはないけれど、自分の中では思入れのある数少ない場所。あの風景は自分だけのものだと勝手に考えている。

またあの場所に帰って来られる様に、今日は疲れた身体を休めることにする。

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