2013年7月7日日曜日

スピードとスケールを両方

先日、大学の友人から一通のメールが入る。

「いつヒマ?」

この最終テストやレポートがある時期が終わってからは少しばかり時間があるけれど、あまりにも唐突な質問で答えに困った。カレンダーを他の予定のためにブロックしていることもあって

「どんなことかによっては、十分に時間をつくれるよ」

と返した。その友人とは1つ授業が同じだったため、メールのやりとりをした後に授業前に何の用件だったか訪ねてみる。すると、「急に面白いことやりたくて、お前に声かけようと思った」と言われる。企画して実行をしてきたし、何かイヤな予感がした。

僕はこれ以上に課外活動をするつもりが今はない。研究会の発表でもボコボコにされたり、もう少し勉学に励みたいと思っている。時間という万人に共通な物をどう使うかは今後を左右する。

諦めてもらおうと「TEDxもSFCで開いちゃったし、あとは St. Gallen Symposium の日本版くらいのじゃないとやる気がないよ」とどでかいスケールのものを提案してみた。 St. Gallen Symposium とはスイスのサンガレン大学の学生が運営するシンポジウムで毎年、IMFの長官やノーベル賞受賞者などをゲストに招いて、エッセイコンテストで選ばれた世界中の修士以上の学生などとディスカッションを行うものだ。1969年に第一回開催が行われたこのシンポジウムは今年で43回目を迎え、毎年5月に開かれている。

(http://en.wikipedia.org/wiki/File:St_Gallen_Symposium_Logo.svgより)

そして、その場でグーグルマップを開きながら、「日本でやるならどこにしようか?小布施なんか最近盛り上がってるしいいかもね。じゃあ、まず企画書作ってこの人にアプローチしてみようか」とその場で簡単なパワポを作り始めた。

そうすると、本気でやりかねないしやれそうという現実味があると感じたのかもしれない。ドン引きしていた(笑)。そこで、内心ホッとして先生の講義に戻る。

H-LABやGAKKOなど様々な素晴らしいプログラムがローンチし、認知が高まってきているが、大学生や院生の”ため”のプログラムでこれほど素晴らしいものはないと思う。これを学生で運営しているというからさらに驚く。昨年、オーガナイザーの日本担当の学生に会ったけれどもとてもしっかりしていて、同じ大学生とは思えなかった。

だけど、これがスイスでじゃなく日本で開いたらどうなるのだろう?一泊二日とはいえ、これだけ世界の第一線で活躍する人やその後継者になる可能性のある学生が集まる機会はそうないだろう。それにスイスでは毎年ダボス会議が開かれている。

これは、スイスという国のプレゼンスをあげる貴重な機会となっているに違いない。もしこのような会議やシンポジウムが日本で開かれれば、おもてなしの心のあるサービスでゲストを魅了するだろう。そして、海外から人材が定期的に日本にきて、文化を感じていくだろう。

実は、昨年スイス大使館の職員とお会いしたときに、「日本の学生でこれだけのものを開催できると思うか」と聞かれたことがあった。そのときのアンサーは「イエス」だ。たぶん出来るだろう。ポテンシャルはある。

だけど、先日の友人のような反応をする人が大勢だと思う。スケール感だけで圧倒されてしまうだろう。現実味がないんだと思う。両方ないとこういうものは実現できない。それを知らない。

こうやって皆、成長する機会を逃すのかもしれない。スケール感とスピード感。案外やってみたら何とかなる。



--------
4h

0 件のコメント:

コメントを投稿