2014年9月12日金曜日

石巻のにおい

先週の木曜日に石巻にて一泊してきた。その翌日から参加していた吉野作造記念館による勉強会に参加することになっていたので、ちょうどいいタイミングだと思い前日に宮城入りした。勉強会のことはまた今度。

石巻を降りたときに雨が降りそうな曇りだけど何とか天気はもってくれた。ひとまず日和見山公園を目指して歩く。ここは当時、避難所になっていたのだと思うけれど、標高が高く海がよく見える。
しかし、ここに行くまでに被害の後は隠れずに見えてくる。駅から少し歩いたところにある商店街の辺り、この辺にも津波が来たことが分かる。
また、震災からの復興を願ってのふれあい商店街ができていた。このにじんだ旗が胸を打つ。ここではお酒なども売っていた様に思う。お世辞にも人が混み合っているとは言えない。
 震災から3年半経った今でもこうして、融資の窓口が残る。商店街とその周辺にあったお店も被害にあってこうしてまだまだ支援は続けられている。ちなみに、この窓口近くで津波の高さは2mだったそう。この高さは建物の一階分に相当する。
 ようやく日和見山公園に着く海岸線がよく見える。以下の写真2つは震災後3年半経ったものと、震災前の写真。この日はあいにく曇りだったので写真の明るさは違うけれど、まだまだ震災前の様子には戻っていない。建物の数が明らかに少ない。「震災前の様子に戻っていない」と書いたけれど、実際は戻らないのかもしれない。恐怖で再び住もうという人は全員ではないのだと思う。


 ここから再び駅の方面へ戻る。そこでもところどころ震災の影響が見えてくる。道路はまだ完全に回復していない。こういう看板を至る所で見かける訳ではない。だけど、やっぱり僕みたいに外から来た人間にとっては印象深い。まだなんだなと。
 ここはより川に近いところにあった建物。この辺りは、記憶が間違っていなければ津波の高さは7mにも及んだそうだ。地震の影響とダブルでダメージを受けた様子。

 こうやって書くとまだまだ復興と思われるかもしれない。たしかに、復興自体はまだまだ。だけど、少しずつだけど確実に変化はしていて。僕みたいなよそ者でも、東京では感じられない温かさに触れられた。道を聞けば必ず教えてくれたし、僕が大きな荷物を持っていたからか、「頑張ってな!」と声をかけてくれた。

そして夜はホテルの受付の方に教えてもらっておいしい刺身を食べた。サーモンなんて甘くて驚いた。実はこのお店も津波の被害にあって移られたところだった。だけど、お客さんも店員さんも楽しそうにしていた。心の傷はあるのだと思うから、そんな心の奥のことは聞かない。けれど、やっぱり笑顔だった。
震災が起きてから初めて福島より北の被災地に訪れた。川、海が近いからかやっぱり陸では感じないにおいがした。ボランティアなどもしていないし、現地の人には軽々しくあれこれ聞いたりとかはできない。でも、まだ訪れていない人は一度でも自分の目で見られると良いかと思います。

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