2014年9月16日火曜日

吉野作造 人材ネットワーク事業

もう2週間前のことになってしまった。9/5-7にかけて吉野作造記念館が主催する勉強会に参加してきました。教員の方が6名に、学生約20人が参加。大学もばらばらで、駒沢大学、青山学院大学、東北大学、慶應大学、京都大学から参加されてました。

テーマは「近代日本の政治のリーダーシップ」というものでした。これは、おかど違いじゃ。。と思いつつ、せっかく先生にお声がけいただいたので参加してきました。ちょうどこの時に成績も出て、その先生の授業ではちゃんとAだったので感謝を伝えておきました。
しかし、あの拙い英語で良くAくれたな、、と涙。

しかし、今回は3つのレクチャーを受けました。失敗の本質を書かれた戸部良一先生、手嶋泰伸先生、そして我らが阿川先生が担当しました。
 戸部さんは、四人の日本の代表的リーダー、東条英機、浜口雄幸、吉田茂、中曽根康弘を挙げられて彼らの特徴を紹介され、彼らの下した意思決定の結果、さらにはそのプロセスの評価をどうするかということについての話だった。

例えば、東条はA級戦犯として知られているけれども、彼が戦争のなかで行ったことその結果を見るのだけではなく、どうしてそういうようなことをするに至ったのかということを明らかにすることも必要で、東条は当時、天皇の意向を反映しようと努力した跡があるというスタンスだったそうだ。これは戦争突入の重圧に堪えるため、天皇にという存在に依存していたのではないかということを考えられていた。

だけど、個人としてはそれを明らかにすることも大事だけれど、その結果が失敗だったときにどうリーダーとして責任を取っていくのかということにも焦点をあてれば議論はより前向きになるんじゃないかと思った。日本って何か起こると、誤って辞めれば良い、記者会見して誤って accountability を守っていると思っているけど違うと思う。問題を収拾するのにそれを起こした張本人、あるいは責任のある身として、出来る限り問題解決に取り組むということも出来ると思う。
 手嶋先生からは、吉野作造の民本主義について話された。当時、吉野は意思決定機関に貴族院、枢密院、軍部が入ることに反対でより民意が反映されるかたちの仕組みが重要だと感じていたよう。あぁ、普通選挙も含めこのときに大きく日本は動いたのだと思うと同時に少し悲しくなった。

このときにされていた議論として「民衆の能力の向上」というものが挙げられていたよう。選挙をするにあたって、「まともな」議員を選ぶのに民衆の当時の教養で可能なのかと。まぁ、当時は政策の善し悪しは判断できなくてもその人の人徳が測れるくらいには、民衆も「まとも」だろうと考えられていた。また、この教養という点にはそもそも選挙に行くのかということも含まれていたそう。。

この話を聞いて日本って当時から進歩してるのか、と今の選挙率や泣いちゃった議員さんのことを考えて頭を抱えたくなった。当時の吉野の問題意識が先進的だったと言ってしまえばそれはそれでなのだが。


阿川先生の話は、リーダーはどう語るべきかということを。The Civil Warのときのリンカーンのゲティスバーグ演説を紹介すると同時に在米日本大使館にお勤めの時代のエピソードも話してくれた。ゲティスバーク演説は300語弱という短いスピーチだが、歴史に残るほど素晴らしく今の大統領もその演説を取入れるほどらしい。無知でごめんなさい。

阿川先生も素晴らしいユーモアをお持ちだけれど、アメリカでは特にショートスピーチでどれくらい教養あるユーモアを含んだスピーチを言えるかということが大事だそう。当時の加藤大使は、さくら祭りのようなイベントで、「この桜が松だったら大変だった」というようなことを言って笑いを誘っていたらしい。


そして、夜はこのような豪華なメンバーで懇親会。皆で机を囲んでワイワイお話をしました。特に駒沢大学の村井良太先生と膝をついて話をさせて頂いた。国レベルの政策はインパクトが大きい。その分、失敗した時の責任が大きいから導入には慎重になる。だけど、何かをして上手くいかなかったコストよりも、もしかしたらやらないコストのほうが高くつく可能性もあるのではないか、などと議論した。こんな頭のいい方々とお話できて贅沢な時間でした。




この勉強会を振返る上で欠かせないのがそのお散歩。まぁただの田舎と言えばそれだけなのだけれど、東京と違って時の流れがゆったりしている。空が広い。雲は手を伸ばせば届くかもしれないと思った。朝、朝食前に昼食後に、そしてレクチャー後に宿舎の周りを歩いた。こういうところに身を置くと、東京のごった返す様子が信じられない。あんなに何で人がいるのだろう。

新たな友人、新たな知見が得られるだけでなく、自分自身とても心の羽根を伸ばすことのできた旅になりました。改めて阿川先生には感謝。



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