僕はひたすら同じ美容院で髪を切り続けている。小学生の頃からずっと。
当初は、床屋じゃなくて美容院という響きのカッコよさなどに小さな憧れを抱いていた。そんなおませさんが美容院デビューしてから10数年。美容師の方には、自分の成長を見守ってもらってきた感じだ。
ボクが入ると、笑顔で出迎えてくれるのでホッとする。席にはNumber。美容師の方がサッカー好きだというのもあって、Numberを読みつつサッカーの話で盛り上がる。毎日を過ごす上でこの時間が一番楽しみな時間のひとつ。
「この人やだな」と思ったことは一度もない。
今振り替えれば小学生の分際で
ここをもうちょっと切ってほしい
などと調子にのって注文をしていたと思うと穴に入りたくなるが、それがあって今の関係があるのかもと思う。今では、どれくらい切る?と聞かれて、「ばっさり切っちゃいたいです!」とざっくり言っても見事にお好みの長さにしてくれる。
たまに、気分を変えて違う髪型にしたいときもちゃんと意図をくんで切ってくれるのですっかり信用している。
そんなわけでずっとNumberに目を落としていても全然気にならない。
髪を切るとき、何かイベントの前後が多い。
運動会の前
大学に受かったとき
恋人と別れたとき(女性みたい?)
大学に受かったとき
恋人と別れたとき(女性みたい?)
落ち込んでしまったときは、雑誌を読むことに集中させてくれる。何か考え事から離れたいときはサッカーの話をしてくれる。いつも大事な瞬間瞬間を共有しているからこそ、今のところからは変えられない。
今日、一息入れられるタイミングだったので髪を切った。でもいことにお金が足りなかった。
あぁ、ごめんなさい。帰ってから支払いに来てもいいですか?
と聞くと
いいよぉ。長い付き合いだし気にしないよ。
と笑顔で返してくれた。
こんな素敵な関係をあとどれくらい築けるだろうか。
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