2015年6月1日月曜日

家族ぐるみでのおつきあい

おおよそ、3年前。当時、サッカーのコーチをしているときの教え子に会った。

当時、チームの圧倒的エースで将来どこまで伸びるのか本当に楽しみで、全国大会に行くようなチームでも遜色ないくらいの実力だった。
だけど、気が弱く自分で打てるのにシュートをせずにパスを選んだり、一対一でも3人くらいは抜けるのに勝負しなかったのが、本当にもったいなかった。

だから、彼にはとにかく口酸っぱく「自分でシュートまでもっていくのが、一番ゴールの確率が高いと思うなら絶対に勝負しろ。それでのミスなら何も言わないよ」と。
調子が良くないときはどんどんパスに逃げる。その度に声をかけ続けた。

あれほどの実力があるのだから早くミスをして自分の課題を見つけるしか上手くならないし、チームのエースとしての自覚をもって欲しかったからだ。 それに加えて、うまい奴は例外なく自己主張が強い。そういう人だけが上がっていける世界だと思う。

当時、彼のご両親は僕が言い続けたことが、「今までのコーチは誰も言ってくれなかった」と言って、とても感謝をしてくれていた。だから、引っ越した後も進路のことを含めて電話をかけてきてくれた。

それで今回、僕が大学を卒業したからということでご両親からお招きをいただいて、彼の新しい家で向かった。駅へ着くとお父さんが車で出迎えてくれた。相変わらず元気そうだ。世間話もほどほどに彼の家に着いた。そして、そのあとは公園へ。

実は、その前日に「サッカーをしよう!」というメールをもらっていたのだ。こっちはボールを蹴るのが7,8ヶ月ぶりだ。走っているとはいえ大丈夫かしらん。ボールをつく。顔が上がらない。コントロールが衰えている。それにこんなときに限って、トレシューは処分してしまったのでランシューという舐めた格好。砂の多い公園に足がとられて上手くパスのコントロールができない。

そんなひどい状態でもボールを蹴るのは楽しい。最高だ。ひたすら教え子と距離や球筋を変えつつ話しながらボールを蹴った。今はトップ下からボランチへポジションが変わったらしい。裏へのパスやサイドチェンジで有効な蹴り方を教えてあげた。まだ、教えることがあって幸いだ。

そんな感じで1時間も蹴り続けて、一対一。相変わらずの柔らかいボールタッチ。だけどやっぱり癖は抜けていないので、あっさりボールを奪取し抜く。まだまだいけるな。そして徒競走では全然余裕だなと思った(笑)。

休憩入れつつ30分もやるともうバテバテで、お開き。家に戻りシャワーを借りてさっぱりし、夕食。「あんな量のおかず、いつもない」とボソッと教え子がつぶやく。それくらい多かったのだがどれも美味しい。奥さんも交えて近況を報告する。

ご飯を終えて、彼は宿題をしに自室へ。それでしばらくご両親とお話しした。これからのことや、今の子供への悩み。 まだまだ、自分を表現するのは苦手でそこが未だに不満らしい。でも、結局練習・試合でチャレンジしていかないと自分の課題は見えないし、伸びない。Fail firstは本当に大事だと思う。

だけど、いくら言っても中学生は親の言うことは聞きにくいよな。「どうしてもサッカーやりたくなくなっちゃったら僕のところに送ってくれたら面倒みますので」と言っておいた。僕は当時そうやって相談できる大人が親以外いなかったから。

そうやってこれからの抱負も語って、おいとますることにした。そのときに、教え子と写真を、というので撮る。そして、その後彼が引っ越す前に撮った写真をみたら身長がとても伸びていた。まだまだ小さい。けど、ちゃんと成長しているのだと思ったら感慨深かった。

そして、駅まで送っていただく。 また僕もちゃんと成長した姿を見せられるようにまた頑張ろうと気合が入った。  こうやって今でも家族で出迎えてくれ、そして成長した教え子の姿を見せてもらえるのはコーチ冥利に尽きるのその一言。

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